建物に蔓延るカビについて
カビは人類誕生以前からこの地球上に生息していた。
建物の改修設計を行っている関係で、外壁に限らずあらゆる部分に多くのカビが発生していることに出くわします。目につくカビは既に無数の固体が繁殖していて、一般的には汚れとして認識しています。本来はカビの処理を行った後に塗装をする。建物の酸性化はカビの増殖に大きく影響するため、可能であればカビ処理を行ったうえで塗装を施工するといった考え方が本来の姿であろう。
じゃあ大きな外壁面のカビ処理をどのようにするか。私は外壁タイルの洗浄にバイオ技術(微生物技術)を活用しています。有用微生物と天然植物由来の洗浄剤とを活用した技術です。お分かりだと思いますが、改修の際の外壁洗浄には多くの制約があります。人が生活している。植栽が茂っている。廃液を出せない。生活者も作業員にも健康障害が絶対にあってはなりません。このように数々のハードルを越える技術でなければならないのです。
またカビはその胞子の飛散によってアレルギーや肺に健康障害を生じさせます。ひどくなると入院治療を余儀なくされるケースだってあります。
高温多湿の日本の気候は世界有数のカビ大国だそうです。その原因の一つが住宅の気密化があげられます。やはり気密が十分だったら空気の入れ替えが自由に行える換気も考えなければなりません。
それからカビの特性として、あらゆる方法(DNA組み換え)で子孫を残そうとします。初期に繁殖したカビとカビ除去処理を行った後のカビの種類が変わってしまうことも多々ある。
安易なカビ処理は危険かもしれないので、本当の知識と技術を持った専門家の活用が大切だと思います。
黄色く変色したところがカビ処理で反応した部分です。