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昨日、建診協関西支部主催の立春名刺交換会に2名で参加してきました。早いもので8年目となります。北海道から九州まで各地からの参加数は45名でした。今年の会場は堺筋倶楽部です。

このような建診協が行う会場は歴史的価値を持った建造物が恒例です。やはり建物の価値を高めて長く使い続けられる建物にしてゆく活動をしている限り、会場選びには拘っています。建診協関西支部では2月早々に立春名刺交換会を毎年開催しているが、堺筋倶楽部で行うのは今年が初めてで、これまでは中之島公会堂で行うことが続いていました。

堺筋倶楽部は1931(昭和6)年に川崎貯蓄銀行大阪支店として建てられた近代建築で、当時多種多様な銀行群でその重厚な様式美を競い合ったが、1936年に親銀行の川崎第百銀行に合併されて消滅する。

2001(平成13)年にフレンチとイタリアンのレストランとしてコンバージョンされたのが堺筋倶楽部です。外観は竣工時のデザインを残していて、玄関周りとその上部に濃密な装飾が施されている。1階は元営業室の高い天井を生かしたイタリアン、2階と3階は役員室や電話交換室、金庫室、個室の並ぶフレンチとなっていて、施設全体を使ったウエディングにも対応している。

当時の設計は矢部又吉と言われている。1934年竣工の旧川崎貯蓄銀行福島出張所(現・ミナミ株式会社)も、矢部又吉の設計です。

 

交歓会の模様:会場は1階のイタリアンレストラン

開会前:銀行時代のお客様コーナーに集まっています。

関西支部長の挨拶:後ろが金庫室入口(扉は国産です)

 

2階ギャラリーから(中央が銀行時代の営業室、左側周囲がお客様コーナー)

 

4階のウエディングルーム

 

また建診協では毎年1月には新年賀詞交換会を行っていて、今年も学士会館でした。参加者は立春名刺交換会同様、北海道から九州まで総勢78名でした。

ホームページによると学士会館は以下のように紹介されています。(抜粋)

1877(明治10)年4月に創設した東京大学は、1886(明治19)年3月、「帝国大学」と改組改称いたしました。それまでの9年間、東京大学総理であった加藤弘之先生が退任されたのを機に、先生に対する謝恩会が開かれました。
これが「学士会」のはじまりです。のちに、旧帝国大学(現在の国立七大学[※])出身者の親睦と知識交流を目的とした場に発展して行きました。
※国立七大学とは北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学のこと。

長い歴史のなかで、様々な出来事もありました。1936(昭和11)年の2・26事件の際には、第14師団東京警備隊司令部が置かれ、1941(昭和16)年に太平洋戦争が勃発すると、翌年以降、会館屋上に高射機関銃陣地が設けられました。1945(昭和20)年には、会館の一部が空襲の被害を受ける一方、館内のいくつかの部屋を日本軍に提供することになりました。そして終戦後の同年9月、連合国軍総司令部(GHQ)に接収されて閉館。高級将校の宿舎や将校倶楽部として使用されていましたが、1956(昭和31)年7月に返還されました。

宿泊、レストラン、会議室、結婚式場などを完備する学士会館は、学士会員のための倶楽部施設ですが、現在では一部施設を除いて一般利用が可能となり、会員以外の多くの方々にご愛用いただいております。

学士会館の敷地内に、野球のボールを握った手の記念碑があります。これは日本に初めて野球を伝えたとされるホーレス・ウィルソン氏の野球殿堂入りを記念して、2003(平成15)年に建立された「日本野球発祥の地」のモニュメントです。

 

私たちの仲間はこのような会に参加することを楽しみにしているようです。もちろん年間通じて行われる理事会・総会・見学会・研修会などもこのように歴史的価値のある建物などを利用しています。

五感

五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触感)は動物が持ち合わせている素晴らしい能力である。様々な分野でIT技術のことが取り上げられているが、五感は感性(エモーション)に左右されるのに対し、ITは論理性(ロジック)のみの評価で全く曖昧さのない世界であろう。感性とロジックを考えるうえで興味深いことのひとつとして、将棋や囲碁の世界で、棋士とコンピュータの戦いで、人間の感性とコンピュータの演算応力のどちらが優れているかです。

赤ひげ建太郎の仕事の中で建物の劣化調査と診断がある。建物調査においてもいろんな機械を用いて行うことができるが、まだまだ人間の五感にはかなわないのが実状です。人の五感は優れていて、床や壁のわずかな傾き・外壁の石が積まれているのか張られているのか・表面のデコボコ・タイルの浮きがあるか否かなど、機械では正しく情報を取得できないことがまだまだ多い。

コンピュータには感性はないと思うけれど、技術の進化で益々人間に近づいてきている。現場での人手不足を考えるうえで、また安全性や効率化や正確性などで、近い将来人間の感性と同等のロボットが現場を支える日は近いのではないでしょうか。一方ロボットは人間の活動をアシストする道具であるから、最終的には人の完成で判断するしかない。

人には五感に加えてコンピュータが持ち合わせていない第六感がまだある。

 

IT技術

毎日意識しなくても私たちの暮らしは見えないところでコンピュータに支えられている。一時たりとも社会や暮らしに欠かせないインフラです。

人口減少社会に入り益々コンピュータやロボットにお世話にならなければならなくなるのでしょう。昔見たことがある映画のように、ボットが人間を襲うようなことにならないのか心配であるが、映画で描かれたことが実社会で現実となった例は少なくはなく、人工知能と感情を持ったロボットが進化した場合、映画の中での空想事であると言い切れるのかどうか。

赤ひげ建太郎が社会に出たころは設計図を手で描く、この時代はすべてが手間暇かける手作業。やがて鉛筆で描くから、コンピュータで製図をする。このころになると電卓をほとんど使わなくなる。さらに進んで、一級建築士が手間暇かけてやっていたことが、コンピュータさえ使えれば素人でもかなりのことができるようになる。当然スタッフの業務時間は一気に短縮されるし、まさに「早い・正確・見える化」が進み、50年前にやっていたことからすれば格段の生産性の向上である。

今日日政府も提唱している「働き方改革・生産性向上」といったキーワードに示されていることが建築生産のあらゆる場面で具現化しようとしている。既に建設現場では設計図を片手にではなく、各職種がタブレットにより情報を共有しながら、品質の確保と後戻りをなくすこと・シュミレーションされた計画によるスマート化された施工手順、もちろん建設後のメンテナンスのための情報を残しながら。

これらの生産過程で必須となるのがBIMである。BIMとは生産過程で従来やってきた、設計図を書くのではなく、コンピュータ上で建物を作って、その情報を自動的に設計図に連動させるものである。BIMデータは建物を生む段階から生涯にわたって活かせるツールとなる。

IT技術は業務の進め方に革新をもたらす。IT革命は何も製造業にもたらす特殊なものではなく、私たちの暮らし方まで一変させる技術なのです。設計監理の業務の中には様々な要素があり、ひとつひとつの要素に対しIT化によって「早くて・正確で・誰が見ても分かる」ものとし、設計監理業務(作業)が一級建築士の専売特許ではなくなりつつあることを実感しているこの頃である。

 

 

 

マンションに限らず建物の寿命を決定付けるのは設備である。設備は人が暮らすうえで欠かせないインフラに他ならないからです。

マンションの設備を考えると、給排水設備・ガス設備・空調換気設備・電灯設備・電話設備・インターネット設備・テレビ共聴設備・インターホン設備・消防設備・防災設備・昇降機(エレベーター)設備・機械式駐車場設備など多岐にわたります。これらの設備のどれをとってもいったん故障となれば生活の不便を余儀なくされるばかりか、人命にかかわる設備もあります。

だから大規模修繕工事に関係するものとしては、建物の劣化や美観の回復だけを視野に入れて取り組むことだけでは不十分と言える。大規模修繕工事はマンションの資産価値向上とインフラ設備の健全性を維持する上からも、更にはマンションの長寿命化も考えるうえでは対象業務の範囲から視点を外すことができないのです。

第一回目の大規模修繕では設備関連の劣化はさほど進んでいないかもしれないが、次回以降の計画修繕を考える上では、第一回目の大規模修繕を侮ってはいけないのです。第一回目の大規模修繕に合わせて設備関連の調査を行い、たとえ修繕メニューに入らないとしてもその記録を残すことは、次回以降の大規模修繕の際の改修メニューならびに計画修繕として必ず役立つものです。

設備改修の項目として、第一回目の大規模修繕の時期は、築後12年~15年経過した時点で行うことが多いようだが、インターホンの機器の更新時期がおよそ15年程度と言われていることもあり、建物の改修時期と重なってきます。さらには二回目の大規模修繕を築後30年~35年と想定すれば、給排水設備を含み多くの設備の改修時期と重なることも想定される。

マンションの設備の改修は居住者の生活制限を最小に抑える工夫を求められる以上、改修計画・改修技術そして費用と効果の面からも慎重に進めることが求められる。設備関連の改修、特に排水設備の改修はマンション固有の仕様があり、また改修に際しては専有部の内装工事などの影響を考慮すれば、改修時期の検討も含め5年程度の準備期間が必要となるでしょう。

第一回目の大規模修繕から助走を付け、二回目以降の改修をストレスなく進めたいものです。大都市部では2回目・3回目の大規模修繕や設備改修の事例が多く出てきていますが、地方都市においても設備改修が本格的となる時期は迫ってきていると考えられる。

このような点からも、建物改修だけではなく、設備改修にも十分対応できる設計コンサルタントの役割はより一層重くなることが考えられる。

ヴィンテージマンションプロジェクト推進協議会について

ヴィンテージマンションプロジェクト推進協議会
(ヴィンテージマンションの定義:古くても価値のあるマンション)
設立趣旨
我が国のマンションストックは610万戸を超え、都市部の居住形態としてなくてはならないものとなっています。一方で築後30年を経過するマンションも約150万戸と全体の25%となり、国土交通省も建替えや老朽マンション対策としてその施策を検討しております。しかし、国土交通省の平成25年度のマンション総合調査によると、約9割の分譲マンションでは長期修繕計画を作成し、管理組合、管理会社、施工会社、コンサルタント等がそれぞれの役割のもと、適切な維持管理を行ってきております。それにも関わらず分譲マンションの中古販売価格は、年々下がる一方であり、資産価値を向上させる大規模修繕工事やリフォーム、リノベーションを行ってもその評価がまったく反映されていない状況にあります。
これについては、日本の分譲マンションの歴史がまだ浅く、実際にその寿命がどのくらいあるのか、保たせることができるのか、といった情報が不足していること、その検証が行われていないことなど、適切な評価を行うための仕組み作りがこれまで行われてきていなかったことが原因としてあげられます。

そこで、適切な建物評価のあり方やその検証作業、実例報告などを関係団体の連携のもとに調査・研究を行い、関係各所に提言、支援、情報発信することを目的として当協議会を設立しました。
平成28年2月17日

協議会構成メンバー

【代表委員】
一般社団法人 マンション計画修繕施工協会 会長 坂倉 徹
【委員メンバー】
NPO法人 全国マンション管理組合連合会
一般社団法人 マンション計画修繕施工協会
一般社団法人 日本マンション管理士会連合会
一般社団法人 リノベーション住宅推進協議会
一般社団法人 マンションリフォーム技術協会
公益社団法人 東京都不動産鑑定士協会
NPO法人 リニューアル技術開発協会
建物診断設計事業協同組合
西武信用金庫
ハウスプラス住宅保証株式会社
株式会社住宅あんしん保証
【協議会事務局】
一般社団法人 マンション計画修繕施工協会内
【オブザーバー】
住宅金融支援機構
一般財団法人 不動産適正取引推進機構
一般社団法人 マンション管理業協会

 

詳しくは http://vmp.jp.net/

 

(協議会参加団体への通知について)

ヴィンテージマンションプロジェクト推進協議会において、国土交通省の「良質な工事を適正に評価する」仕組みの開発として、「良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業」の採択を受け、計画修繕工事における「マンション共用部評価書・同基準」の検討、作成を行って参りましたが、今般その作業が完了し、マンション管理組合に向けてのセミナーなどでPR活動を行います。

 

 

 

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100年後を考えたストック建築も、
今までの設計思想を変えると可能となります。
建診協は今だけではなく、未来も見定めて進みます。