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マンションの設備

 

マンションに限らず建物の寿命を決定付けるのは設備である。設備は人が暮らすうえで欠かせないインフラに他ならないからです。

マンションの設備を考えると、給排水設備・ガス設備・空調換気設備・電灯設備・電話設備・インターネット設備・テレビ共聴設備・インターホン設備・消防設備・防災設備・昇降機(エレベーター)設備・機械式駐車場設備など多岐にわたります。これらの設備のどれをとってもいったん故障となれば生活の不便を余儀なくされるばかりか、人命にかかわる設備もあります。

だから大規模修繕工事に関係するものとしては、建物の劣化や美観の回復だけを視野に入れて取り組むことだけでは不十分と言える。大規模修繕工事はマンションの資産価値向上とインフラ設備の健全性を維持する上からも、更にはマンションの長寿命化も考えるうえでは対象業務の範囲から視点を外すことができないのです。

第一回目の大規模修繕では設備関連の劣化はさほど進んでいないかもしれないが、次回以降の計画修繕を考える上では、第一回目の大規模修繕を侮ってはいけないのです。第一回目の大規模修繕に合わせて設備関連の調査を行い、たとえ修繕メニューに入らないとしてもその記録を残すことは、次回以降の大規模修繕の際の改修メニューならびに計画修繕として必ず役立つものです。

設備改修の項目として、第一回目の大規模修繕の時期は、築後12年~15年経過した時点で行うことが多いようだが、インターホンの機器の更新時期がおよそ15年程度と言われていることもあり、建物の改修時期と重なってきます。さらには二回目の大規模修繕を築後30年~35年と想定すれば、給排水設備を含み多くの設備の改修時期と重なることも想定される。

マンションの設備の改修は居住者の生活制限を最小に抑える工夫を求められる以上、改修計画・改修技術そして費用と効果の面からも慎重に進めることが求められる。設備関連の改修、特に排水設備の改修はマンション固有の仕様があり、また改修に際しては専有部の内装工事などの影響を考慮すれば、改修時期の検討も含め5年程度の準備期間が必要となるでしょう。

第一回目の大規模修繕から助走を付け、二回目以降の改修をストレスなく進めたいものです。大都市部では2回目・3回目の大規模修繕や設備改修の事例が多く出てきていますが、地方都市においても設備改修が本格的となる時期は迫ってきていると考えられる。

このような点からも、建物改修だけではなく、設備改修にも十分対応できる設計コンサルタントの役割はより一層重くなることが考えられる。

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