大規模修繕工事で一番重要なこと
多くのマンションで計画的な修繕を行うための費用として、毎月区分所有者が修繕積立金という名目でお金を負担しています。この大規模修繕工事に対し、管理会社などから「そろそろ築後10年が経過したので具体的な大規模修繕工の準備を始めた方がいいですよ」といった話が出てきて、管理組合の役員の方も「じゃあどのように進めたらいいのだろうか?」となるのが一般的かもしれません。
ここで大規模修繕工事に限らず、誰を味方に付けるかが問題となります。
修繕積立金の性格は、区分所有者が捻出した貴重なお金が原資となる工事です。だからお金の使い方に透明性が求められるのです。この点を十分認識している人を味方に付けることが大原則となるでしょう。もちろんマンションの管理運営に精通していて、なおかつ大規模修繕工事における技術的なことや、工事中の居住者への配慮が十分できることも味方選定のポイントとなるでしょう。
なぜ優秀な味方をつけるかと言いますと、管理組合本来の主体性を維持できるからです。つまり管理組合の意思を大規模修繕工事に反映させるためです。
優れた味方の力を活かすと。
① 管理組合の体制作りから運営まで適切なサポートが得られる
② 工事に関する専門的な技術と施工手順の構築をしてもらえる
③ 工事施工者の選定の事務手続きから工事に関する施工品質の審査をやってもらえる
④ 管理組合役員の負担軽減と混乱が生じないように、先手先手と手を打ってくれる
⑤ 全ての記録を整備して、いつでも公開できるようにしてくれる
⑥ 管理組合が納得できる主体性をもった大規模修繕工事が実現できる
このように考えてくれば、どのような人が味方として適しているのかがお分かり頂けると思います。
工事を請け負わなく管理組合の立場に立てて行動できる人です。
しかし残念なのは、人を選ぶのではなく会社のブランドやお付き合いで選ぶ誤りです。大規模修繕に限らずすべては人が行うことです。その人の考え方や能力さらにはやる気、そして相性が合うかどうかも大切となります。
味方を選ぶことが安易に行われている現状を見るにつけ大規模修繕の危うさを感じる場合もあります。現に他社を味方として大規模修繕工事が終了し、その後に管理組合からの投書とか愚痴を聞かされることもあるからです。
7月6日の午後1時30分から、大規模修繕工事の勉強会を岡山県立図書館で行います。会場で詳しくお話しさせていただきます。管理組合の方のご参加を期待しています。残り10席ほどとなりました。参加希望される方はご一報ください。