以外に幅広い一級建築士の仕事
建築士の資格種別は、一級建築士・二級建築士・木造建築士と別れています。一級建築士は国家資格でそれ以外は都道府県知事資格です。そして資格により建物の規模と構造により設計できる範囲が定められているが、そのなかで一級建築士には無制限と言ってよく、大規模な建築物の設計監理が行える資格です。不特定の人が使用する劇場・百貨店・病院など特殊建築物といわれる分野の設計監理も含まれています。
一級建築士ができる業務の内容は、設計監理に限らず建物が建った後の調査診断・定期報告・耐震診断や耐震補強設計など新築時の仕事に限りません。当然設備を含む建物全般に対しての業務です。
意外に知られていないのが宅地開発、いわゆる土木系の業務です。大規模な宅地開発の設計にも資格が必要となります。都市計画法施工細則では1ヘクタール以上の設計者の資格として、一級建築士の資格を有する者で、宅地開発に関する技術に関して二年以上の実務の経験を有するものと規定があり一級建築士も含まれているのです。
このように一級建築士の活躍の場は広く、何も建築の設計だけに限りません。そのためには広く知識を吸収することに迫られます。建築基準法・消防法・建設業法・都市計画法・宅地造成規制法・森林法・河川法・道路法、挙げればきりがありません。でもこれだけでは不十分です。社会の変化や価値の動向にも敏感でなければなりません。もちろん建設コストにも敏感でなくてはなりません。
建築士も業務領域を自ら限定せず、業務の幅を広げてゆけば社会に役立てる場面は限りなくあると思います。
小生も大規模な宅地開発の設計の経験があり、現在も進行中のプロジェクトがあります。宅地開発の多くは建物を建設するために行うものだから、一級建築士が事業主の窓口として業務指揮することが合理的だと思われる。