ブログ

監事の力

多くの管理組合の方からご相談を受けるが、管理規約の理解不足によるものが多数です。

管理規約には、理事・理事会・総会などきめ細かく規定されていて、新米理事とて規約を熟読し、規約通りの運営を行えば問題はないのですが、なかなか理解していらっしゃる方は少ないようです。

そのような状況下にあっては管理会社まかせの運営となってしまい。管理会社とて放置すれば物事が前に進まないため、やむなく先頭に立っているのかもしれません。

ここで原則を今一度整理してみましょう。理事は定期総会において規約に定めた人数を選任し承認を得ます。※輪番制(規約に定めなし)であっても、理事選考委員をあらかじめ決めておいて、理事候補を理事選考委員長より発表してもOK。

選任された理事は総会を一時中断し第一回目の理事会を開会します。目的は理事長の互選です。理事会で新しく理事長が決まると、総会を再開し理事長ならびに担当理事を発表し総会に報告します。これらの一連の議事進行は、議長の手腕で進められます。

よく理事長と議長の役割を混同しているケースも見かけます。理事長は執行側なので総会においては議案の説明を行い区分所有者の意見を聴く立場となります。もちろん理事も同様です。議長は会議を主催し、関係者の意見を等しく聴き出し、適当なタイミングで賛否数の確認を行い、結論を導きだします。

理事長はマンションと資産の管理が大きな役目です。理事会を議長として取りまとめ、総会で決められた範囲で業務を執行します。

総会の議案作成も理事会の役目です。つまり総会に諮る審議事項を理事会が作成し、区分所有者の賛同を得るのです。よく「管理会社が」ということを耳にしますが、管理会社はマンションの管理運営においては部外者です。立ち位置は管理組合を支援する立場となります。理事会・総会の議事録作成についても、議事録(案)を作っても、理事会の場でよく吟味し、必要に応じて補正させる必要があります。

これら一連の理事会の役割を適正に行っているのかどうかをチェックするのが監事の役割です。したがって監事は理事会のお目付け役であり、理事と同一視できる立場ではないのです。ましてやお飾り的な立場でもありません。規約上監事には強力な権限を与えられているのです。理事会・総会の招集権限や会計の監査権限です。だから総会で業務と会計の監査報告を行うのです。

残念ながら理事会に対し、監事としての意見を述べた議事録も見かけたこともありませんし、毎月の会計報告にも立ち会っている監事の方は少数です。一般の会社であれば外部の人が取締役会や会計の監査を行っている場合がありますが、マンションの場合は同じ居住者ということもあってか、厳しい監査の状況ではないようです。でも法的にはいったん何か起きれば社会的な責任も大きいのです。

«
»

調査・診断・建替・維持管理など
何でもご相談下さい!

100年後を考えたストック建築も、
今までの設計思想を変えると可能となります。
建診協は今だけではなく、未来も見定めて進みます。