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大規模修繕工事の時期(続き)

マンションの大規模修繕時期としておおよその目安はあります。その時期は「12年周期」で考えられることが多いようです。新築時の長期修繕計画では、第1回目の大規模修繕を12年後と設定している場合が一般的でしょう。

建物は年々劣化してくるのは当然としても、その劣化進行速度と劣化の程度はどの建物でも時間経過に沿って一律に進むわけではありません。

建設初期の施工品質・立地による影響(海に近い、山に近い、工業地帯、市街地など)・建てた後の維持保全・使用環境・その他などによって、人の体と同様に建物劣化は個別に異なり、時間経過とともにその差異の開きは大きくなります。

大規模修繕の時期として判断される要素として、(1)築年数が相当経ったから、(2)外壁など建物の汚れがひどくなったから、(3)長期修繕計画で決まっているから。以上の三つの動機で判断されているようです。

しかしよく考えてみると10数年間の間に屋上防水は改修しているケースを見かけます。そうすると建物を傷める要因が少なくなっているのだから、築年数に関係なく大規模修繕工事が必要なのか?といった疑念が出てきます。また外壁などの塗装の劣化はあっても、躯体を守る性能は維持している場合が殆どです。

つまり築年数を経ていても、建物の劣化実態を正しく把握して、直ちに取り組むべきか、取組むのであれば大規模修繕とは切り離してどの部分の修繕を行うのか、本格的な大規模修繕を考えるのであれば何年後を目標に準備して進めるのかなど、多角的な判断が必要に思える。

以上の点から赤ひげ建太郎が発するコメントで、「まだ本格的な大規模修繕は3・4年先でも大丈夫だが、現段階で必要な修繕はココとココです。修繕方法はこのようにして行います」といったアドバイスをする場合があります。

とにかく大切な修繕積立金を効率よく活かすためにも、大規模修繕の時期を定型的に捉えない方が良いと思います。そのような思いを持たれたら、赤ひげ建太郎のような専門家に相談して、簡単な事前の調査を行うことをお勧めします。

12年に1度行われることの多いマンションの大規模修繕だが、その資金となる修繕積立金が十分に蓄えられているマンションは少ないです。特に仮設足場代に多額の費用を要することもあって、修繕周期を長期化することは、財政的な見地から見ると効果は絶大です。

くれぐれも施工サイドの長期収益計画に惑わされないように。

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