外断熱か内断熱か
住宅の断熱を考えるとき、どんな理由で外断熱か内断熱の論争がなされているのだろうか。
外断熱は外壁の外側を断熱材で覆います。内断熱とは外壁の内側に断熱材を張ります。木造の在来工法(大工さんの建てる家)は外壁内に断熱材を入れます。したがってこれも内断熱工法と称しています。
断熱材の性能としては熱伝導係数で表されています。数値が低いほど性能が優れている事になります。大雑把に空気は0.024、鉄は80、木材は0.14、因みに魔法瓶などで知られている真空は0.00137です。
これをみると鉄骨系のプレハブでは外断熱工法でしか考えられないのです。鉄はよく熱を伝えるので「熱橋材」とも言われています。一方木造は鉄に比べるとはるかに熱を伝えにくい材料です。しかし空気と比較すると大きいですがこの部分はやむなしと考えています。
断熱材の種類は多くあります。スタイロフォーム、グラスウール、古紙を加工したセルロース、羊毛など。それらをチップ状に加工し機械を使って狭いところに吹き込む工法などもあります。
断熱材の選定は、火災の際に有害なガスの出ない、あるいは燃えにくい材料である事は大前提となります。そして解体処分の際に分別が容易でありリサイクルも簡単である事もポイントとなります。もちろん安価なものでなくてはなりません。
最近ではコンクリート外壁の内と外側に型枠代わりとして発泡スチロールを使った特殊な工法もあります。もちろん型枠代わりの発泡スチロールはそのまま存置し断熱材としての役割も残すのです。