あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
企業経営にとって経費削減が気にならない経営者はいないと思います。
「昼休みの電気は消せ!」「長電話はするな!」「仕事は効率よくやれ!」、これらは見える経費の削減と言ってもいいかもしれません。
経費の中には固定経費と変動経費があり、変動経費の削減はサービスや品質に影響を及ぼす場合があるから単純に経費削減が了とは言い切れない。一方固定経費は企業活動の如何にかかわらずかかる経費であるから、常に削減に努める意識が重要となる。
その中で着目したいのは隠れて見えにくい経費の削減である。この点でマンションの管理や維持保全にかかる費用を考えた場合、管理費や積立金は毎月自動的に引き落とされ、その後の使われ方がどのようになっているのかに関心を払う人は意外に少ない。居住者が納付したお金がその後どのように使われ、そして運用されているのかを知る手がかりは、毎年行われる定期総会の資料による外にありません。
事業報告と決算報告書、事業計画と事業予算書です。これらの資料の中身を精査すれば自分たちが負担したお金がマンション管理にどのように使われているのかを知ることが出来ます。
無関心は良くありません。マンションに暮らすことは相当のお金が必要なのです。特にこれから先の時代、少子高齢化・年金(収入)の問題などを考えればマンションの維持管理にかかる費用を真剣に考える必要がありそうです。
管理会社と交渉した結果、一か月当たり10万円の削減に至ったケースも耳にしています。年間120万円、10年で1,200万円の管理費の削減です。この金額をどのように考えるか。大規模修繕工事にも大きく寄与できる金額ではないでしょうか。
無関心でお金の垂れ流しは良くありません。理事会の役割はマンションの財産管理に他ならないと思います。これからの時代、計画修繕が多くなってくると思いますが、修繕積立金が過小に低いマンションが目立っています。一般管理費の削減を行い、修繕積立金の充実は待ったなしのマンションが目立ちます。
管理会社との関係は民民の取引です。適正な価格に見合うサービスの提供が当然の取引関係でもあります。不必要な事には支出をしないことを肝に銘じつつ、「マンション管理は管理会社主導ではなく自分たちの意思で行う」。ここの意識の差でマンションの格差が生じることを危惧するものです。