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超省エネ住宅は本物の健康住宅

Q:夏涼しく冬暖かい家はできないのか?

A:兼好法師は徒然草で、「住まいは夏を旨とすべし」と書いています。確かに日本の気候は亜熱帯地域であり、世界有数の高温多湿地域です。 

南国の住まいを見れば分かる通り、高温多湿地帯では風通しが良い住まいでなければ不快でたまりません。

「住まいは夏を旨とすべし」と書かれてはいるが、それでは冬の住まいはどうすれば良いのかとは書かれていません。おそらく当時の建築技術では冬対策が出来なかったのだろうと思われます。

昔から比べると住宅建材は大きく進歩しました。屋根材・外壁材・窓枠材などです。最近やっと機能から性能面に開発の視点が変化してきましたが、これは地球環境や省エネなどの社会的要求に沿った開発が進んだからでしょう。 

人が快適と感じる環境は個人差があります。温度は18度~24度・湿度は40%~60%だとすれば、それ以上ないしそれ以下だったらエアコンやファンヒーターで強制的に適温レベルにすれば良いというのがこれまでの考えではないのでしょうか。 

本来住宅に求める事は、その性能と機構によって、冷暖房機器に頼らなくても快適環境が維持できれば良いはずです。これまでのビルダーは見かけにこだわり性能面がおろそかだったような気もします。もちろん消費者側の要求にも一端があったことも事実でしょう。

建材の進歩は住宅の気密性能を高めました。気密が高ければ冬の温度維持はできるが、換気設備が不十分な住まいでは冬でもカビと結露が発生します。一方夏季では熱がこもりがちで、こもった熱は夜間でも放熱するためにエアコンは欠かせません。 

原理原則をもう少し考えてみると、冬期の昼間は太陽熱を取り入れ夜間には逃さない。夏季は太陽熱を遮り熱を貯めなく夜間は放熱させる。

このような経験がありませんか? 

真冬でもビニールハウスはあのように薄くても中に入れば温かい。真夏でも家より外のほうが涼しい夜がある。 

自然のエネルギーを上手く住まいの中に取り入れる。そのためには住まいを装置として考えれば、おそらく岡山では暖房不要・冷房不要の住まいが可能と考えられます。 

この度の大震災でも、地震直後は即停電が発生しました。停電は原発を見るまでもなくすべてのインフラ機器を機能不全にします。もちろん暖房器具は停止したままです。 

それでも高断熱高気密の住宅は、あの寒冷地域でも室温は12度より低下しなかったのです。この事実は住まいの性能は住まい手の健康と直結していることを示しています。

人にやさしい環境は結露やカビダニの発生しにくい環境となります。結果的に夏涼しく冬暖かい家は、超省エネ住宅であり、本物の健康住宅となるのです。 

本物の健康住宅は人と住まいの長寿命化も同時に促進します。今後このような住宅技術を解き明かしてゆきます。

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