ブログ

管理組合活動の停滞を考える

管理組合活動の活性化の方法

管理組合の活性化はどのようにしたら上手くいくのか。

多くの住人が無知・無関心で、管理組合活動に非協力的。理事会は定期総会の前後の年に2回だけ、この状態をどのように脱却したらよいのだろうか。

[対応策として(案)]

(1) 管理組合を活性化させるためには、まず理事会を活性化させること。

(2) そのためには他人まかせにせず、自分自身が立候補して役員になること。

※ 殆んどの管理組合は輪番制だが、規約には明示されているのか。       

(3) 管理会社の毎月の会計報告など、定例理事会で役員が顔を合わせて話し合う機会を設けること。

(4) 毎月広報誌を発行して、理事会の動きや、考えていることを積極的に住人に知らせること。

(5) 同時にアンケート調査により、住人の考えや意見を理事会に吸上げる仕組みを作ること。

この活性化の方法をビーカーの水に例えると、ビーカー(管理組合)の水の上の方(理事会)だけが熱していても、下の方の水(住人)は冷たいまま。その温度差を解消するには、水に対流を起こさないといけません。上から広報誌という下向きの水の流れを作り、下からは意見箱やアンケート調査という上向きの水の流れを作る。このようにビーカーの中をぐるぐると水(情報)が回る流れを作って、はじめてビーカー全体が活性化するものと考えられます。

■ 非協力者との調和

マンションに限らずいろんな団体でも、協力的な人と非協力的な人が必ず並存します。その場合に非協力者をどのように扱うかは非常に難しい問題です。しかし、非協力者を無視するようなやり方は後々禍根を残しかねません。むしろ積極的に管理組合の運営に引きずり込むくらいのことが必要かもしれません。

非協力者は後になってから「あの時こうやっておればよかった」と言います。その時に最良と思われる決断をしたのであれば、それは本来尊重されるべきですが、それまでの経緯が分からない為に思わぬ「口撃」に遭ってしまうのです。

非協力者を巻き込むには積極的にチラシを配布したり、イベントの参加を促したりする方法がよいでしょう。少なくとも歓迎しているという姿勢を見せることで、今度は協力的な人になる可能性もあります。

■ 信頼とのバランス

管理をするに当ってはある程度の信頼が必要です。

お互いに信頼関係があって初めて成り立つのが管理です。信頼がなければすべてにおいて疑いを持たなくてはならなくなり、何も信じられないと言うことになります。物事はある程度誰かに任せなければ話が進みません。

性善説も程ほどにしなければいけませんが、何事も斜めから見ることだけは避けた方が結果的に自分のためになることの方が多いと思います。

これは食の安全と繋がるかもしれませんが、考え出したらキリがありません。無農薬野菜と言ってもどこまでが無農薬なのか?細かいことを突き詰めれば無害の食べ物など無いということになります。

問題はアスベストのような、数年たってから重病が発生することを放置しておくことです。このようなことからは消費者は賢くならなければなりません。

マンションの管理組合は、言わば法人に近い存在ですが、実態は消費者と同様です。消費者であるにもかかわらず、手厚い保護がないのが管理組合でもあります。

見極める目を持つためにも、自らが学習する必要があるでしょう。

■ 無関心が生む大きな差

マンションを買う人は管理に関して無関心の人が少なくありません。

竣工して年々総会の出席率も悪くなり、無関心というよりも他人事のようなマンションが少なくないのも事実です。

あるいは関心があるけれど、同じマンションに住んでいる手前、あまり変な関係になりたくないとの考えから消極的になる人も少なくないのではないでしょうか。

ただマンションの居住者が無関心であればある程、マンションの管理はよからぬ方向に行き始めます。マンション管理というのは、出来合いのものでない以上、良くしていく精神が無ければ年数と共に歪が出てくるのは当然だと思います。

決算にも無関心・行事にも無関心では、自分の管理費や積立金が何に使われているのか分かりません。もし、自分の将来を不安に思っているのであれば、少しだけ努力することが必要です。例えば、管理会社に委託している場合でも、予算案作りを管理会社任せでは無く、一度自分で作成してみることをお勧めします。

当然、難しいことは専門家に任さざるを得ませんが、それ以外の注目すべき点を知っていれば、問題点は容易に見抜けるものです。

■ 高齢化は社会問題

マンションは建物と共に居住者も年齢を重ねます。

マンションが築30年になると、30歳にマンションを購入した人は60歳になっています。

60歳になった時にマンションの根本的な問題に気付くことがあります。

それは、今更取り戻せない問題に膨れあがっていることが殆どです。その時になったら「あーしまったな」と諦めることが出来ますか?

そうならないためには、普段から建物の定期的なメンテナンス(ハード面・ソフト面)をしておく必要があるのです。

長期修繕計画というものがありますが、はっきり言って将来のことは誰にも分かりません。適切な時期に適切な修繕工事をすることは大切ですが、時代に応じた対応をしてゆくことはそれ以上に必要となります。

修繕あるいは改良工事を行う資金が無いために老朽化したまま放置されているマンションも多く見受けられます。

また建物同様にマンションに住んでいる人間が高齢化していく問題も切実です。

高齢化すると時間にゆとりができるため、管理組合の運営に積極的な人が増え、マンパワーは逆に充実するケースも多いのですが、その半面積極的な提案が行なわれず、次代への引継ぎが出来ないこともあります。

そして、あと10年もすれば体力の低下などがあり、再びマンパワーは低下します。

■ 小規模マンションの結束力

マンションは一般的に大規模の方が金銭的に恵まれていると言われています。

それは、同じ工事をするにしてもまとまった工事になるため、1戸当りの単価が下がるためです。

では、常に大規模マンションがいいか?と言うとそうとも言い切れません。

小規模マンションの良いところは住人の結束力です。別の言葉で言うと、アットホームな感じの管理組合運営が可能です。

大規模マンションであれば、知らない顔の人と毎日のように会うかもしれませんが、小規模マンションはそのようなことは少ないと思います。

小規模マンションはもっとメリットを活かしましょう。

«
»

調査・診断・建替・維持管理など
何でもご相談下さい!

100年後を考えたストック建築も、
今までの設計思想を変えると可能となります。
建診協は今だけではなく、未来も見定めて進みます。