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マンションも格差の時代!?

Q:マンションには「2つの老い」があると言われているがどのように対処すべきか。 

「2つの老い」について論じられるようになって久しくなるが、「2つの老い」とは居住者の高齢化と建物の老朽化の事を指しています。 

日本社会が世界に類を見ないほどの高齢化社会に突入しようとしている。このことは人口の10%がマンション居住者であることを考えると当然大きな社会問題として顕在化することはあきらかだろうと思います。

一方建物の老朽化も建設時のまま放置していればやがて劣化が進行し、そうなれば人が居住するには適さなくなり、やがてスラム化が進行する。当然マンションも街並構成の一端を担っているわけだから都市の魅力を損なうこととなります。平成12年に施行されたマンション新法は官から民へと言う流れの中、マンションという民の事業に対し官の規制をかけたと言う点では大きな意味があったと思います。 

法規制以前の問題として、これらの「2つの老い」に対しどの様な予防的措置を講ずれば良いのかは、もちろん自らの資産であるマンションを適性に維持保全するために要する資金が必要なことは当然ですが、維持保全に要する資金の原資は居住者全員から月々捻出した公金が当てられます。

マンションの共有部は区分所有者全員の共有財産であるが故、手続きは公共団体が行なう手続きに準じた方法でしか執行できないのです。つまり区分所有者の代表である理事ないし理事長は、総会で議決された事項範囲でのみしか資金の執行は出来ないのです。

このことを別の角度で見てみると、自分たちの毎月支払っている管理費および修繕積立金がどのように使われているのか、そしてどのように使われようとしているのか。これらのお金にスポットを当てて見てゆく事が大変大切だと思います。

ところが多くの居住者は管理組合という機構に無関心の人が多いのです。「2つの老い」の対処するのは自分たちが構成する管理組合のみで、他の誰かがやってくれるものではないのです。 

マンションが10あるとすればそれぞれ異なる10の問題を抱えているのがマンションです。 

管理組合の活動が活発なマンションほど発生する問題を未然に察知し、予防的な対応で解消していると言えます。問題の少ないマンションほどお互いに暮しやすいことは言うまでもありません。 

これからのマンションを考えてみると、マンションに限りませんが、既に孤独死の問題も出てきています。この問題は一義的にはマンション管理組合として日常的に活動しなければならない時代は目の前に来ていると思います。そして行政の関係当局との連携も必要となってくると思いますが、いずれにせよマンション自体の自助努力が前提でなければ行政等との良好な関係は構築できないと考えられます。 

魅力的なマンションは築年数が浅いからだけではありません。古いマンションでも好ましい雰囲気があるマンションもあります。佇まいがあります。それらは管理組合の活発な活動があってこそ表情として現れるものだと思います。

マンションも過剰供給の時代に入っています。そうすると管理組合活動の優劣によりマンションも格差が生じてきます。古くても人気のあるマンションも多く出てきています。 

古くからの言い伝えは生きています。「マンションは管理を買え」です。

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