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設計監理方式の注意点

平成23年12月6日の山陽新聞社の紙面に一級建築士の須賀桂一氏の記事があります。「マンション管理のムダとワナ」、安心な方法教えます、6大規模修繕分離発注を、コンサル慎重に

記事の内容を要約して紹介します。マンションの大規模修繕の発注は、設計と施工を分離する「設計・監理方式」と「設計と施工」を管理会社やゼネコンなどにすべて任せる「一括発注方式(設計施工方式)」があり、「一括発注の設計施工方式」では競争原理が働きません。別々に行う「設計と施工の分離発注」にしましょう。管理組合に工事の専門家がいない限り。組合の立場に立って工事の範囲や仕様を一緒に決めていく、良い設計コンサルタントの力を借りることをお勧めします。その上で、談合のない工事発注が行われているかを、きちんと見届け、施工品質の確保とコストダウンを果たすのです。

中略

無料や、破格に安い料金でコンサル業務を請け負う業者もありますが、コンサルでありながら談合に関わり、施工業者からキックバックをもらうというケースがあります。よく見極めるために、管理組合として次の2点を行ってみてください。

①過去にそのコンサル業者が行った公募の書面を10回分でも20回分でも出してもらい、入札参加条件を 不必要に厳しくしていないか確認する。

②大規模修繕工事の実績表を、マンション名や所在地だけでなく、元請の施工業者名を入れて提出してもらい、業者が極端に偏っていないか確認する。提出を断るコンサルタントは問題外です。

マンションの大規模修繕工事の原資は、毎月毎月区分所有者から拠出された貴重な修繕積立金です。この修繕積立金から何パーセントかを取り崩し、そして予算化し工事の代金として執行されるものです。別の見方をすれば公金的な性格を持っているのです。したがって予算の執行状況には透明性が求められ、施工業者選定経過を含め関係者にすべて公開されるべきものです。当然ながら、そこに談合などで不当に高額な工事代金などが混在してはならないのです。

真に管理組合の立場に立ち、信頼できる設計コンサルタント、いわば管理組合にとって良い味方を探して就ける。設計コンサルタントがどこと繋がりがあるのか、どこに所属しているのか、管理会社や施工業者などを含め業界の方を向いているのか管理組合の方を向いているのか、表面的なことだけでなくインターネットなども活用してこの点の見極めも極めて重要なポイントとなります。大規模修繕がローコストで高品質、そして管理組合がハッピーエンドに終えられるか否かはこの一点にかかっているといっても過言ではないでしょう。

優れた味方は管理組合の意向を工事に反映させる「設計監理方式」のメリットを最大限引き出す強力なパートナーです。

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