ブログ

工事現場は岡山市の中心から車で10分程度の場所です。工事は着手してからおよそ一か月経過したところです。工程は順調に進行し6月末までに完了させる予定となっています。

大規模修繕工事は第一回目です。工事の内容は屋上防水の保護塗装だけで、外壁の塗装工事とタイルの浮き・割れの補修工事です。

バルコニーと廊下の床塩ビシートでの防水工事(塩ビシートは今回施工)

エントランスの飾り梁と柱はカビ対策、そして屋上の銘板はクリーニングなどの意味でバイオの技術を活用します。

足場の落下防止ネットは白のカヤシートの新品です。居室が明るく清潔だから居住者のストレスがありません。当社の現場は足場材は枠組み足場で組み立て時の騒音緩和と堅牢さで決めています。落下防止ネットは清潔で明るいカヤシートの新品が標準仕様です。

何せ狭い敷地で工事施工者は、居住者の安全はもとより来訪者に対しても近隣の民家に対しても気を遣う工事です。

IMG_0433

カビは人類誕生以前からこの地球上に生息していた。

建物の改修設計を行っている関係で、外壁に限らずあらゆる部分に多くのカビが発生していることに出くわします。目につくカビは既に無数の固体が繁殖していて、一般的には汚れとして認識しています。本来はカビの処理を行った後に塗装をする。建物の酸性化はカビの増殖に大きく影響するため、可能であればカビ処理を行ったうえで塗装を施工するといった考え方が本来の姿であろう。

じゃあ大きな外壁面のカビ処理をどのようにするか。私は外壁タイルの洗浄にバイオ技術(微生物技術)を活用しています。有用微生物と天然植物由来の洗浄剤とを活用した技術です。お分かりだと思いますが、改修の際の外壁洗浄には多くの制約があります。人が生活している。植栽が茂っている。廃液を出せない。生活者も作業員にも健康障害が絶対にあってはなりません。このように数々のハードルを越える技術でなければならないのです。

またカビはその胞子の飛散によってアレルギーや肺に健康障害を生じさせます。ひどくなると入院治療を余儀なくされるケースだってあります。

高温多湿の日本の気候は世界有数のカビ大国だそうです。その原因の一つが住宅の気密化があげられます。やはり気密が十分だったら空気の入れ替えが自由に行える換気も考えなければなりません。

それからカビの特性として、あらゆる方法(DNA組み換え)で子孫を残そうとします。初期に繁殖したカビとカビ除去処理を行った後のカビの種類が変わってしまうことも多々ある。

安易なカビ処理は危険かもしれないので、本当の知識と技術を持った専門家の活用が大切だと思います。

カビ

黄色く変色したところがカビ処理で反応した部分です。

 

 

223日(日)午後1時半から5時までマンション勉強会で広島に行ってきました。

今回の勉強会は、前半に国土交通省の山根様がマンション管理適正化について行政としての役割と、適正化の意義ならびに区分所有者が管理組合員としての権利と義務などについて分りやすくお話されました。

後半は私が大規模修繕の流れや現場での実例などを交えながら、管理組合が主体となって進めるために必要な事項をお話しさせて頂きました。

勉強会では60名以上の管理組合の方が熱心に耳を傾け、そしてアンケートでも多くの方より「役に立った」「再認識した」「相談したい」などご意見を頂き、次回への励みともなりました。

広島では1026日(日)に次回開催の予定です。

CIMG9661

消費税の関係で昨年9月末に契約した大規模修繕工事が始まり1ヶ月が経ちました。IMG_5022

建築資材が足りない、人手が不足している。これらの状況の中で当初の予定より遅れ気味であるが、5月末の完成を目指して工事のピッチが上がりかけています。

IMG_5032

足場が架けられだすと、居住者の皆さんの関心も一段と上がり、「綺麗になるから楽しみです」と言った声も聞かれだした。でも綺麗にするのが主目的ではなく、もちろん綺麗も大切な事なのですが、「やはり長年月で傷んできた部分の手当てを十分しなければ、10数年先に行われる次回の大規模修繕工事の際に余分な費用が必要となることを考えて、今回が大切です」といったお話しをさせて頂きました。

「10数年先の工事の時もお願いしたいです」とありがたいお言葉も頂戴したのですが、「私も相応の歳だから次はもう無理でしょう」と言ったら、「後を引き続いてやっていただける人を育てて下さい」と言われました。

季節はまだまだ厳しい寒さが続いていますが、居住者の方から頂くこのような暖かい励ましの一言が何よりでした。

隠れて見えない経費

企業経営にとって経費の削減も永遠の課題のひとつでしょう。

その中には、建物を建ててからかかる維持保全コストもあります。この部分の経費について明確に把握している企業まだまだ少数派である。 

  1. 建物保全費(法令点検、定期点検保守、運転、日常点検、清掃、保安、経常的修繕、植栽管理)
  2. 建物修繕・改善費(臨時的修繕、改善、模様替え)
  3. 建物運用費(光熱水費:電気・ガス・水道代、受付)
  4. 一般管理費(運用計画、テナント打合せ、費用徴収事務、公租公課、保険料、その他) 

建物を建てた後にはこれだけの費目があるが、これらの費用の最適化が困難な理由は専門的な知識がなければ出来ないことにあります。

建物が長期間にわたって使われる間にかかるこれらの費用は、建設時の設計費ならびに建設費の3~4倍だとも言われています。

いかに建設後の累積費用が大きいか、そしてこの膨大にかかる費用の最適化が難しいかが分ります。

特に一時的に多くの費用を要する修繕については、計画的に修繕するための計画を作ることによって、必要以上の費用や行き当たりばったりの対応をなくすることが、結果的にコストの削減に繋がります。

しかしこの事を修繕引当金などの名目で準備している企業は少ないのが現状です。 

私たちは建物修繕・改善費に併せ、保全費や運用費の最適化の支援も行っていますが、このような支援サービス業務をどのようにして企業に伝えるかが今の課題である。

調査・診断・建替・維持管理など
何でもご相談下さい!

100年後を考えたストック建築も、
今までの設計思想を変えると可能となります。
建診協は今だけではなく、未来も見定めて進みます。