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仮設足場の種類

マンションに限らずどのような工事でも必要となるものが仮設足場です。

仮設足場を考えると、高層建物などでは上部から吊るし、上下に移動させるあるいは横移動をさせるゴンドラ形式のものと、よく見かける一般的な地上から組み立てる足場があります。もちろん状況によっては多様な組み合わせがされます。

一般的な仮設足場は、関係法令によってその設置基準などが定められています。足場を構成する骨組みの種類も各種ありますが、マンションの大規模修繕工事の場合、当社は作業性とコストなどの面で枠組み足場を標準的に指定しています。枠組み足場の幅も90センチ幅のもので組み立てることを設計図書に明記します。

足場材の指定基準として、組み立て時の騒音と堅牢性などです。マンションの居住者の方には体調不良などでお休みの方がいるかもしれません。お住まいの方への工事中の影響緩和の配慮が必要となります。特に騒音です。

また、足場材の倒壊防止のために外壁面などに固定します。その際に外壁にボルトで固定するための穴をあけることも、建物の所有管理はマンション管理組合ですので、その了解が必要となります。(解体時には穴埋めをします)

必要に応じて足場下の通行者等への安全確保のために、上部に突き出した庇(アサガオ)といったものも設置する場合があります。

足場材の外周には、物体の落下防止や塗料材の飛散防止の措置として、シートを張ります。このシートも多種多様で、防音シート・通常のシート・メッシュシート・カヤシートなどがあります。マンションなどの大規模修繕工事の場合、当社は白色の新品のカヤシートを設計図書で指定しています。最近では黒色のシートが良く使用されるようになりました。

いずれにせよ、シートを張り巡らせると居室内が暗くなります。その度合いがひどくなると居住している方のストレスのもととなるため、日中でも晴天時には照明がなくても生活できる程度の明るさ確保が必要と考えてカヤシートを選定します。

足場に限らず仮設物は発注者にとって、工事後にカタチとして残らないが、工事には欠かせない費用となります。可能な限り合理的な考えで計画することも大切です。

上の写真は街角で見かける足場のシートです。これでは電気を点けなければ暗くストレスです。

下の写真2枚は当社指定の白色カヤシートです。足場の骨組みが見えます。バルコニーも明るい。

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弊社の業歴の中で、時代の変化に応じてサービスを提供する業務の中身を拡大してきました。新築の設計監理から建てた後の大規模修繕へ、そして建てた後にかかるランニングコストの適正化、建築以外の分野のコンサルタントなどです。

直面していることは、マンション分野の大規模修繕のコンサルタントと企業向けの経費削減支援をミックスした新しい分野のサービスをカタチにしようと奮闘しています。

どのようなサービスを考えても、お客様に響かなければ絵にも描いてもいないモチにすぎません。響いていただくためには、弊社が何を考えて、お客様にとってどのようなメリットがあるのかを明確に伝えなければなりません。しかしお伝えすることは大変難しいのです。

大企業のように優秀なスタッフと資金に任せ、絨緞爆撃のような広報活動はできません。私たちができるのは地上での局地戦であり、口コミ・インターネット・自らの体を使ったビラまき位でしょう。

でも、紙媒体をおろそかにすることは決してできません。紙面のデザインや文字の使い方など、大変なエネルギーを要します。

幸いにも弊社は過去に、マンション管理組合向けのセミナーチラシなどを自分たちで作ってきました。このような経験が新しい分野のサービスのメリットを伝える資料作成に役立っています。

もう少しすれば新規分野の資料が完成し、その資料を携えて未来のお客様のところに出向く活動を開始します。計画のサービスはリリース間近です。

もしかしたら、新しいサービスとして、広報活動のコンサルタントもできるかも。

工事現場は危険だから一般の人は立ち入れません。本当にそうなのか?

施工業者の現場責任者の人は工事関係者以外の人が工事現場に立ち入ることを避ける傾向があるような気がします。でも現在の安全管理はかなりの水準にあり、建設現場とて工場の中と同じレベルの安全対策を求められているのです。

私たちの考えは、発注の立場にある人が自分の所有管理している(所有管理する)建物の細部まで工事の出来具合等に対し納得をすることは重要だとしています。つまり工事現場は建設関係の特殊な空間だといった感覚は適切ではないとしているのです。

マンションの大規模修繕工事の際には、適切なタイミングで管理組合の方と一緒に足場に上がり工事の状況を確認していただきます。そしてポイントポイントでなぜこのような劣化が生じたのか、その処置をどのような考えで行っているのかを説明しています。多くの方は自分の所有している(管理している)建物の通常では見ることができない部分を確認できます。このことは建物に対する愛着も増してくる効果も期待できるのです。

当然保険に加入していただくことをお勧めしています。期間と人数限定の保険で負担も少額です。

(写真はリッチde鳴門Ⅲの現場です)

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今年一月から工事が始まっているプレジデント後楽園の大規模修繕工事が本格的に進んでいます。工事場所は中区役所の道を挟んで南側です。

戸数92戸のマンションで、築40年が経過する岡山で2番目くらいの古いマンションです。

これまでに幾度となく大規模な修繕工事が行われてきているが、今回の工事は防水工事と外壁の塗装工事が主となるが、「今回はきっちりとした工事で将来的にも安心できる工事にしたい」というのが管理組合の共通した考えです。

その他の工事としては、バルコニーと階段の床に塩ビシートを貼る。剥き出しの屋外階段の上に雨除けの屋根を取り付ける。

工事の内容はすべて雨水対策が主です。建物の劣化を促進させる要因である雨水からの防御対策が一番だからです。そのためには確実に所期の目的のために多少美観的な部分は我慢していただく場面も生じます。当然このような点は事前に管理組合の方とも共通の認識が必要となります。

特徴的なのは建物形状が入り組んでいるため、屋上防水の納まりが困難な部分があるのでメーカーの方と現場の責任者、そして監理者の3社が工事前に事前協議をして工事の要領を決めています。

メーカーの方がただ製品を納入するだけでなく、工事の要領と仕様に関わってもらえるのは大変ありがたいことです。

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工事現場は岡山市の中心から車で10分程度の場所です。工事は着手してからおよそ一か月経過したところです。工程は順調に進行し6月末までに完了させる予定となっています。

大規模修繕工事は第一回目です。工事の内容は屋上防水の保護塗装だけで、外壁の塗装工事とタイルの浮き・割れの補修工事です。

バルコニーと廊下の床塩ビシートでの防水工事(塩ビシートは今回施工)

エントランスの飾り梁と柱はカビ対策、そして屋上の銘板はクリーニングなどの意味でバイオの技術を活用します。

足場の落下防止ネットは白のカヤシートの新品です。居室が明るく清潔だから居住者のストレスがありません。当社の現場は足場材は枠組み足場で組み立て時の騒音緩和と堅牢さで決めています。落下防止ネットは清潔で明るいカヤシートの新品が標準仕様です。

何せ狭い敷地で工事施工者は、居住者の安全はもとより来訪者に対しても近隣の民家に対しても気を遣う工事です。

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カビは人類誕生以前からこの地球上に生息していた。

建物の改修設計を行っている関係で、外壁に限らずあらゆる部分に多くのカビが発生していることに出くわします。目につくカビは既に無数の固体が繁殖していて、一般的には汚れとして認識しています。本来はカビの処理を行った後に塗装をする。建物の酸性化はカビの増殖に大きく影響するため、可能であればカビ処理を行ったうえで塗装を施工するといった考え方が本来の姿であろう。

じゃあ大きな外壁面のカビ処理をどのようにするか。私は外壁タイルの洗浄にバイオ技術(微生物技術)を活用しています。有用微生物と天然植物由来の洗浄剤とを活用した技術です。お分かりだと思いますが、改修の際の外壁洗浄には多くの制約があります。人が生活している。植栽が茂っている。廃液を出せない。生活者も作業員にも健康障害が絶対にあってはなりません。このように数々のハードルを越える技術でなければならないのです。

またカビはその胞子の飛散によってアレルギーや肺に健康障害を生じさせます。ひどくなると入院治療を余儀なくされるケースだってあります。

高温多湿の日本の気候は世界有数のカビ大国だそうです。その原因の一つが住宅の気密化があげられます。やはり気密が十分だったら空気の入れ替えが自由に行える換気も考えなければなりません。

それからカビの特性として、あらゆる方法(DNA組み換え)で子孫を残そうとします。初期に繁殖したカビとカビ除去処理を行った後のカビの種類が変わってしまうことも多々ある。

安易なカビ処理は危険かもしれないので、本当の知識と技術を持った専門家の活用が大切だと思います。

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黄色く変色したところがカビ処理で反応した部分です。

 

 

223日(日)午後1時半から5時までマンション勉強会で広島に行ってきました。

今回の勉強会は、前半に国土交通省の山根様がマンション管理適正化について行政としての役割と、適正化の意義ならびに区分所有者が管理組合員としての権利と義務などについて分りやすくお話されました。

後半は私が大規模修繕の流れや現場での実例などを交えながら、管理組合が主体となって進めるために必要な事項をお話しさせて頂きました。

勉強会では60名以上の管理組合の方が熱心に耳を傾け、そしてアンケートでも多くの方より「役に立った」「再認識した」「相談したい」などご意見を頂き、次回への励みともなりました。

広島では1026日(日)に次回開催の予定です。

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消費税の関係で昨年9月末に契約した大規模修繕工事が始まり1ヶ月が経ちました。IMG_5022

建築資材が足りない、人手が不足している。これらの状況の中で当初の予定より遅れ気味であるが、5月末の完成を目指して工事のピッチが上がりかけています。

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足場が架けられだすと、居住者の皆さんの関心も一段と上がり、「綺麗になるから楽しみです」と言った声も聞かれだした。でも綺麗にするのが主目的ではなく、もちろん綺麗も大切な事なのですが、「やはり長年月で傷んできた部分の手当てを十分しなければ、10数年先に行われる次回の大規模修繕工事の際に余分な費用が必要となることを考えて、今回が大切です」といったお話しをさせて頂きました。

「10数年先の工事の時もお願いしたいです」とありがたいお言葉も頂戴したのですが、「私も相応の歳だから次はもう無理でしょう」と言ったら、「後を引き続いてやっていただける人を育てて下さい」と言われました。

季節はまだまだ厳しい寒さが続いていますが、居住者の方から頂くこのような暖かい励ましの一言が何よりでした。

隠れて見えない経費

企業経営にとって経費の削減も永遠の課題のひとつでしょう。

その中には、建物を建ててからかかる維持保全コストもあります。この部分の経費について明確に把握している企業まだまだ少数派である。 

  1. 建物保全費(法令点検、定期点検保守、運転、日常点検、清掃、保安、経常的修繕、植栽管理)
  2. 建物修繕・改善費(臨時的修繕、改善、模様替え)
  3. 建物運用費(光熱水費:電気・ガス・水道代、受付)
  4. 一般管理費(運用計画、テナント打合せ、費用徴収事務、公租公課、保険料、その他) 

建物を建てた後にはこれだけの費目があるが、これらの費用の最適化が困難な理由は専門的な知識がなければ出来ないことにあります。

建物が長期間にわたって使われる間にかかるこれらの費用は、建設時の設計費ならびに建設費の3~4倍だとも言われています。

いかに建設後の累積費用が大きいか、そしてこの膨大にかかる費用の最適化が難しいかが分ります。

特に一時的に多くの費用を要する修繕については、計画的に修繕するための計画を作ることによって、必要以上の費用や行き当たりばったりの対応をなくすることが、結果的にコストの削減に繋がります。

しかしこの事を修繕引当金などの名目で準備している企業は少ないのが現状です。 

私たちは建物修繕・改善費に併せ、保全費や運用費の最適化の支援も行っていますが、このような支援サービス業務をどのようにして企業に伝えるかが今の課題である。

設計事務所には塗料・防水材・金物・シーリング材・サッシ・などなど多くのメーカーの営業マンや技術の方がこられます。

現場監理や建材のPRなど来訪の目的は様々ですが、雑談の中でボヤキ話しも時々されるときがあります。そのボヤキの中で、現場施工の不具合の話しが出てきます。

工事中あるいは工事完成後何らかの問題が生ずると、施工会社から「何とかならんのか?」だそうです。何故その様な問題が起きるかといえば、メーカーとしての材料の取り扱いから施工条件(天候・気温・湿度・施工手順など)の仕様を守らなかったから、結果として問題がでて来るのです。

メーカーの立場は、自社の製品を買って頂く大切な施工会社だから、必死になって「何とかならんのか?」に応えようとします。しかし大半が後の祭りであり、結局泣きを見るのは元請施工業者に発注したクライアントになるのです。

なぜこのようなことが起きるのかを考えてみると、元請代金との兼ね合いで下請け施工会社へのしわ寄せ・工期が短く突貫工事となっている・施工会社の職人さんが安易な方へ流される・その他。

施工会社の中には、元請施工業者から無理難題を押し付けられると、今日この頃は少ないがお断りする人もいます。このような職人さんだったら長くお付き合いしたいなと思います。

雑談の中でこのような事態を避けるために、私たちはメーカーの人と一緒になって工事着手する前に、諸々の注意点を施工会社に指示する方法を取っています。しかも書面による根拠に基づきます。

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100年後を考えたストック建築も、
今までの設計思想を変えると可能となります。
建診協は今だけではなく、未来も見定めて進みます。