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2026 年6 月のダイヤモンドオンラインでの記事では、「1年以上を費やした公正取引委員会のマンション大規模修繕工事の談合事件調査がついに動きそうだ」と報じている。
報道によれば、事件の結果は関東地方のマンションを中心に施工会社とコンサルタントを合わせて40社、課徴金総額は十数億円規模とされている。

事件はマンションの大規模修繕工事で、施工会社やコンサル会社が事前に受注調整を行い、談合会社は不当な価格で受注し、管理組合が本来より割高な工事費を負担した可能性があることです。
管理組合は専門知識が乏しいことが多く、コンサルや施工会社に依存しやすい構造が。談合の温床となったと解説されている。
その後同様の談合事件は関東地方から東海地方にも拡大しようとしているものの、現時点では地方の中核都市にまでは及んでいない。
談合の土壌として考えられることとして、大規模都市圏のマンションの規模(100戸~500戸)と物件数・施工会社側の技術者不足(スケールメリットによる効率)などが想定される。
地方都市発祥の改修会社の大都市圏へ営業拠点の拡大を見ても、市場規模の魅力があると思われるが、談合事件に名を連ねることがないように願う。

この問題は建設業会に限らず「談合は必要悪」といった意識にこの度の事件は大きなインパクトを与えているが、このような報道が出ても未だに談合問題は世の中からなくならないのが実状である。

談合の主体は多様で、発注者側・コンサル・施工会社など複雑で、新聞記事となる発注者主導の談合も後を絶たない。

マンションの談合を意識して管理組合が発注者側としてどのような対策が出来るのかを考えてみる。
地方都市にはマンションの大規模修繕工事を手掛ける施工会社が少ないことも考慮したうえで記事では以下の点を指摘している。
1. 情報の透明化
2. コンサルの選び方
3. 相見積もりの取り方
4. 契約内容の確認
5. 外部支援の活用

この中で一番重要な点は、2のコンサルの選び方に尽きるような気がする。理由は専門知識を持った人で、管理組合の財産を守る意識と能力をも持った人選びに尽きる。
この人選びに失敗すれば管理組合内で大混乱が起こり、プロジェクトそのものが暗礁に乗り上げる事態となる。このようなことは絶対に避けなければならない事でしょう。

建診協には混乱状態の管理組合より相談を受ける場合があるので実例を挙げて検証してみよう。
・管理会社主導で大規模修繕工事のプロジェクトに取り組んだが、系列の施工会社しか選べない。
・設計監理方式で進めたが特定の施工会社を誘導した。
・コンサル会社は管理会社の紹介で決めた(よくあるが避けなければ)
・施工会社選定の段階で一般公募方式を決めたが、応募方法が開示されなかった。
・応募条件が全国展開の会社に絞られるレベルの高い条件を付けた。
・コンサルならびに管理会社からは施工会社への推薦要請がなかった。
・応募してきた施工会社は少なかった(数社応募で1社辞退)

建診協からアドバイスできる対応策:特にコンサル選び(人物選び)について
1. 管理組合の運営知識とともに、マンションを良くしようとする熱意のある人
2. コンサル費用が高い安いではなくリスクも考える
3. コンサルに支払う費用はプロジェクト全体で効果を考える
4. プロジェクト開始から完成までの道筋を明確に説明できる人
5. 施工会社選定の道筋を明確に説明できる人
6. 談合に関与した施工会社への対応を明確に説明できる人
7. すべてのサポート業務に関しリスクを含め正確に説明できる人
8. 人物選びで正確判断は実績先の管理組合の評価を得ること。

保証

保証(ほしょう)とは、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う債務のことであると民法に規定されており、住宅をはじめ車、家電製品など私たちの周りには保証書がたくさんあるはずです。

例えば、新しく製品を購入してその製品の保証期間内で故障が生ずることがたまにあるが、殆どの場合保証書に頼ることなく保証期間は経過してその効力を失うのが大半でしょう。
多くの製品は保証期間が切れたから故障や不具合が発生するものではなく、多くは保証期間の何倍も何もなく使用し続けられるものです。
それでは保証って何なのでしょう。まるで保険のようなものなのか?

では大規模修繕工事で見てみましょう。
新築に限らず建物改修工事でも多くの保証書が出てきます。塗装・防水・仕上げ・設備機器など、元請会社の単独保障に限らず、元請会社・専門工事会社・資材製造メーカーの三社連名の保証書も発行されます。
もちろん保証内容や期限も明示されているので、このあたりもしっかり目を通す必要があります。

そこで気を付けなければならないことがあります。
屋上防水の全面改修です。一般的には既存の防水層の上に新たな防水層を被せることです。
そうすることによって防水工事は新築同様な状態となるので、10年保証が三社連名で出てきます。
本当は既存防水層の部分的な補修を継続できるものを、「10年保証がつくので全面改修をやりましょう」となるのです。
屋上防水の全面改修が必要な場合としては、劣化ならびに不具合が部分補修では対応しきれないと判断した場合です。稀にこのようなケースがあります。その場合には発注者と現状を確認し、その状態を共有することから始まります。

「10年保証」だから安心? 10年過ぎたらダメ?
そんなことはありません。
大半の防水材は適正な材料と丁寧な施工であり、定期的な点検を継続する限り、30年以上は十分耐えられるものです。

一方的に全面改修の話しが出た場合は、関係者全員で現場を見て、そして納得のうえ改修方法を決めるべきです。
安易に「10年保証」に惑わされないことが大切です。

全面改修と部分補修では、その費用は比較にならないほどの開きがあります。
どちらの選択にせよ、一度改修をしたらそれで永遠ではありません。定期的な点検は欠かせないので、部分補修であっても点検活動を行って、必要な補修を早期に継続することで維持費の抑制が可能となります。

現下の厳しい経済状況を考えれば、過剰修繕は禁物であり、必要な改修工事はきちんとやり未来に愁いを残さないことです。
お金さえあればすべての対処法は柔軟に考えられるが、資金不足の場合は選択が限定されます。
そのような点からも屋上防水に限らず、大規模修繕・日常修繕・通常の保守点検に至るまで、資金投下を慎重に行うべきだと思われる。

全面改修(被せ工法)で「10年保証」には注意

調査・診断・建替・維持管理など
何でもご相談下さい!

100年後を考えたストック建築も、
今までの設計思想を変えると可能となります。
建診協は今だけではなく、未来も見定めて進みます。